[学会発表]日本地球惑星連合大会(JpGU)にて研究発表を行いました
公開日 2016年09月06日
CTR専任研究員、Dr. Abhik Chakrabortyが日本地球惑星連合大会にて研究発表(個人)を2件行いました。
日時
2016年5月22日(日)から2016年5月26日(木)
会場
千葉県、幕張メッセ
大会概要
例年行われる惑星連合大会は日本国内で開催される地学関係の最大の学術大会であり、米NASAや、 国内の宇宙航空研究開発機構(JAXA)、海洋研究開発機構(JAMSTEC)をはじめ、数多くの 研究組織が参加?出展します。
◇惑星連合大会2016 公式ウェブサイト http://www.jpgu.org/meeting_2016/
報告
惑星連合は、地質学や地球惑星科学、とりわけ、空間分析に基づいた課題発表が多いですが、社会生態系やランドスケープ変化に特化した研究セッションは多くは行われていません。そこで、この分野の活発化を狙い、“Complexity, Change and Adaptive Management of Socioecological Landscapes: An Earth System Perspective” といった学術セッションを5月22日に開催し、本セッションにおいて、“Analyzing the Relationships between Disturbance, Landscape-level Change, Land-formation Mechanisms and Biota in Complex Socioecological Systems” という研究発表を行いました。
この発表では、白神山地の事例を取り上げ、世界遺産地域と、その周辺地域で行われる土地利用、資源管理、観光地創設のプロセスと、ランドスケープ変化の関係について論じました。また私は同一セッションの共同コンビーナを務めました。
さらに5月24日には、本大会の特別国際セッションとして開催されたユネスコ新規地球科学プログラムに関したセッションで、ジオパークやジオヘリテージの管理について発表を行いました。
“IGGP and Geoscience for Future Society: Exploring a Framework for Managing Earth Heritage”という表題を通じて、地球惑星と人間社会の関係をどう理解し、ジオパークやその他の国際的プログラムでどう評価すれば良いかについて論じました。金銭的な価値につながる独特な地形を観光名所にすることは一般的にありますが、単なるジオサイトを作ることでは自然環境の分断化などの課題を解決することができません。そこで、独自の地形よりも、地形地質の多様性を生み出す地球惑星システムのメカニズムそのものを理解し、「人新世」における人為的変化について総合的、かつ、批判的考察の場を設けることが、ユネスコの新規プログラムの宿命になるのではないかという指摘をしました。また、発表では、地域社会の価値観や地域独自の観光資源創作のあり方についても触れました。
なお、同一セッションにおいてユネスコ地球科学部長のPatrick J. McKeever教授、世界ジオパークネットワーク事務局長のGuy Martini 氏などから基調講演をいただきました。
謝辞:
本学会に関して、和歌山大学国際観光学研究センターから学術発表助成をいただきましたことを感謝します。
Abhik Chakraborty